前回、浴酒供②の続きです。
只今、生駒聖天秘伝の甘酒を製造中です。
順調に粘りを出しているので、近日、公開できると思います。
その前に、市販の麹に課題が残っていたので、麹菌を自作しました。
画像の通りです。
これは、撮影用に培養した麹菌なので、この状態では育ち過ぎですが、
とりあえず、昔ながらの上醍醐寺製法です。
麹屋の培養床は米を蒸すのですが、寺では炊いた飯を利用しました。
飯麹は、直ぐに使わないと育ち過ぎて甘味が出ない難点があります。
現代では電気炊飯器の利用が主なので、堅目モードで炊くか残り飯の
水分を良く飛ばしてから培養床を作ります。
麹菌は、飯の水分が多いと勢いよく繁殖するものの癖のある匂いが出て、
甘味の少ない独特の仕上がりとなります。
堅く炊き過ぎても飯が直ぐに乾びて、米の堅い粒が残ってしまい
口当たりが今一つです。
最近では、温度管理が簡単な甘酒製造専用機具が市販されていて、
この甘酒製造機具で作ると非常に甘みの強い甘酒が作れます。
今回は、自作麴菌を使った甘酒に秘伝の加工を施して、お供え用に
仕上げました。
久々に作った甘酒も美味に仕上がり、何となく一安心です。
お供えにする甘酒の加工方法は、富岡八幡宮の長子姉様直伝です。
これは公家に伝わっていた甘酒で、特別な日のみに作られました。
後に、御室御所の甘酒と同じ製法なのを知り感激したのですが、
この製造方法を知る人も減り寂しい限りです。
普段の振舞い用は、大量に作らなければならず、甘酒屋の作り方と
同じ要領で作るそうです。
最近では、自作するよりも市販の甘酒の方が美味しいと思うので、
お供え用は、市販の甘酒をお奨めします。
天下一と言われた興福寺相伝製法の甘酒は、残念ながら秘伝麹菌が
入手できず再現を断念しています。
何れ、興福寺の許しが出たら秘伝麹菌を採取しに行きたいと思います。
秘伝麹菌の隠れ処は、万葉の昔から内緒だそうです。